タイヤを交換し、ホイールナットを締め付ける際、安全のためにもトルクの管理は必要です。
締め付けが緩いと走行中にタイヤが外れる恐れがあり、かといって力一杯締め付けると走行中に更に締まって、外せなくなったり、最悪ねじ切れることもあります。
体重を乗せて踏みつける様な締め方は、大きな間違いです。
タイヤ交換作業には規定トルクで締めることができるツール、トルクレンチは必須アイテムです!
もくじ
トルクレンチの選び方
トルクレンチはタイヤ交換以外でも、整備作業のあらゆる場面で使われるのでその種類は非常に多いです。
各社が多くの商品ラインナップを持っており、それぞれの作業に適したトルクレンチというものがあります。そして、当然ながらタイヤ交換に適したトルクレンチもあります。
「安いから、評判がいいから」といった理由で購入しては、全く使い物にならないでしょう。
タイヤを固定しているホイールナットを締め付ける規定トルクは、
軽自動車:70~90Nm
購入前にサービスマニュアルで、自身の車の規定トルクの確認をしておく必要があります。
DIYタイヤ交換におすすめのトルクレンチ
最近は安全のために、トルクレンチできちんとトルク管理をする一般の方も増えています。
トルクレンチはプロ用のツールではありません。DIYユーザーでも購入しやすい価格の製品がたくさんあります。
それでは、DIYユーザーにおすすめのトルクレンチを3点紹介します!
- 【エマーソン】トルクレンチセット
- 【KTC】ホイールナット用トルクレンチ
- 【TONE】ハンディデジトルク
【エマーソン】トルクレンチセット EM-29
【製品情報】
- 差込角:1/2”(12.7mm)
- トルク対応値:28Nm~210Nm
- 本体サイズ:幅500x奥行83x高さ73mm
- 重量:2.3kg(付属品・ケース含)
- 付属品:14/17/19/24mmソケット,21mm薄口ロングソケット/エクステンションバー
エマーソンのトルクレンチは、リーズナブルな価格と使いやすさからネット通販で高い評価を得ており、圧倒的な販売数を誇ります。
ベーシックなトルクレンチで、トルクの設定方法も触れば簡単に理解できるでしょう。
タイヤ交換に使えるソケットが付属されているので、別で購入する必要がないのも嬉しいですね!
エクステンションバーとは、ソケットとトルクレンチの間に取り付ける延長棒のことで、車体とトルクレンチが近くて作業しにくい時に使用します。
作業者のことをしっかり考えて作られたセット内容で、評価が高いことにも頷けます!
高い品質と付属品の豊富さ、そして驚きの低価格で高い人気を集めているトルクレンチで、入門用におすすめです。
◆使用者の感想
- 以前、業者に依頼してタイヤ交換をしてもらったときに、インパクトで締めたのかバカみたいに締め付けられていて、外すのに苦労しました。それからは自分で交換しようと思い、安くて評価の高いこのトルクレンチを購入しました。素人作業には十分すぎるほどしっかりした造りで、これなら安心してトルク管理できます。
- 初めてトルクレンチを買いましたが、しっかりした重量があって使いやすく、ケースにソケットと付属品にも満足です!
- 今までクロスレンチで適当に締めていましたが、ディーラーで緩いと注意されたので思いきって購入。設定トルクになったときのカチッという感覚が分かりやすくて気に入りました!おすすめです!
- トルクレンチだけでなく、ソケットに延長ツールも付いていたので、これに決めました。安いので心配していましたが、丈夫な造りで長く使えそうです!本当に買ってよかったです!
【KTC】ホイールナット用トルクレンチ
【製品情報】
- 右回転の締め方向のみに適応。
- 全長はタイヤと手が干渉しない最適な長さの420mm。
- 締付トルクに達すると軽いショックで知らせるプリセット型。
- ラチェットヘッド36枚ギア。
- 不意のソケット脱落を防止するプッシュリリース式。ワンタッチでソケットの脱着が可能。
KTCからは、トルク固定のトルクレンチが出ています。
メーカー指定のトルク別専用設定のため、精度の高いトルク管理が可能です。
ラインナップは下記の通りです。
・103Nm(トヨタ・DAIHATSU)
・108Nm(日産・HONDA)
固定になるのでそれ以外のトルク測定はできませんが、自分の車だけでしか使用しないなら、固定式の方が扱いは簡単です。
通常のトルクレンチは自分で操作して調節しないといけません。それがわずらわしい、苦手だ、という人には調節不要の固定式が簡単なのでおすすめです!
◆使用者の感想
- カー用品店でトルクレンチの設定方法を教えてもらいましたが、自分に難しく面倒でした。簡単なものはないかと調べてみると、この固定式を見付け、KTCの製品で評価が高かったので安心して購入できました。使い方はすごく簡単なので苦手な方にはおすすめです!
- タイヤ交換にしか使わないので、長く使いたいので壊れにくそうなシンプルなものを探していました。このホイールナット専用のトルクレンチは、私の理想通りの品で、毎回の設定も必要なく、強度・精度ともに高品質です!
- トルクが規定値に達した時のカチッと感は非常に気持ちがいい!長さも適度な力で締められるように計算された絶妙な長さです。
- 仕事で使っていますが、トルクを合わせる必要がないので楽です。何に関しても専用品は強度があり、故障が少ないので長く使えます。
【TONE】ハンディデジトルク
【製品情報】
- ラチェットハンドル、スピンナハンドルなどの手動用ハンドル類と、ソケットの間に取り付けて使用するデジタル式のトルク測定器。
- 左右両回転方向に対応。
- 能力:20〜200Nm
- 差込角:12.7mm
- 出力角:12.7mm
- 寸法:45x45x75mm
- 質量:0.184kg
TONEのハンディデジトルクは、デジタルタイプのアダプター式トルク測定器です。
これは、ハンドルツールに取り付けることで、普段使っているレンチがトルクレンチになります!
デジタル表示なので、数字が読み取りやすく、設定したトルクに近づくと音と光で知らせてくれます。
また、軽量コンパクトなので持ち運びしやすく、通常のトルクレンチのように収納場所もとりません。
必要なときにだけ取り付けて使用できるので、とても便利なアイテムです!
◆使用者の感想
- トルクレンチは持ち運びに困りますが、アダプター式だと小型で持ち運びや保管もしやすく、手持ちのハンドルと合わせて使えるので便利です!
- コンパクトで保管に便利。工具箱に入れていても邪魔にならず、必要なときだけ装着して使えるのも便利。精度も申し分なし!
- トルクレンチのカチッとはないので少し物足りないが、音で知らせてくれるので使用する上では全く問題なし。どれだけのトルクがかかっているかを見れるのが気に入っています。
- 小型で持ち運びに便利。出先で急に必要になったときでもさっと取り出せる。もちろんトルク管理も優秀なので、購入を検討しているならおすすめ。

使用上の注意点
トルクレンチの使用に関して、いくつか注意点があります。
トルクレンチで緩め作業はしない!
トルクレンチで固くしまったボルト・ナットの緩め作業を行うと、精度が大きく落ちてしまいます。
ラチェットの切り替えがついているので実際は緩めにも使えますが、トルクレンチの精度を保ちたいのなら締め付け測定だけの使用にしましょう!
トルクレンチは精密機器なので、正しい使い方をしましょう!
ダブルチェックは厳禁!
多くの人がよくする間違いなのですが、一度規定トルクで締め付けたものを、不安だからともう一度カチッと二度締めしてしまうことがよくあります。
これをすると、設定トルクから大きくズレが生じます。
例えば、103Nmで締めたものをダブルチェックすると、105Nmになっていたりします。これでは本末転倒でトルクレンチを使っている意味がありません。
プロの方でも知らずにダブルチェックをしたり、雑誌や別サイトでもダブルチェックを促していることがありますが、これは間違いなので知っておいてください!
保管方法
トルクレンチはとてもデリケートな工具なので、保管方法を誤るとすぐに精度が落ちます。
始めに紹介したエマーソンの様な通常タイプのトルクレンチは、使用後に設定値を最小値(エマーソンなら28Nm)に合わせておきましょう。
トルクレンチの内部にバネが入っているのですが、これの張力によって精度を保っています。
使用した設定値のまま保管してしまうと、長時間バネにストレスが掛かった状態になり張力に狂いが出て、精度が落ちます。
また、湿気により内部にサビが発生するといけないので、乾燥剤(お菓子に付いているものでいいので)を一緒にケースに入れて保管しましょう!
まとめ
今回は使い勝手のいいトルクレンチを3タイプ紹介しましたが、他にも多くのメーカーの商品があります。
ここで紹介したものを参考に、自身に合ったトルクレンチを選びましょう。
注意点に関しては、全てに共通すると思いますのでお役立てください。(取説に書いていればその通りにしてください。)