整備作業をしていると、ボルトやナット、各種パーツの「長さ」や「幅」を測定する場面は多いです。
また、ネジ山修正に使うタップ・ダイスを購入するなら、「ネジピッチ」を測定する必要があります。
今回は、そんなときに必要となる測定工具の「ノギス」と「ピッチゲージ」の使い方を紹介します!
整備作業に限らず、日曜大工やDIYでも必ずと言っていいほど必要になるツールなので、ひとつは持っておきましょう!
ノギスの使い方【パーツの名称】
ノギスは、対象物の「長さ」「幅」「深さ」を測定するツールです。どんな道具か想像できる人は多いでしょうが、正しい使い方はご存じでしょうか?
定規やメジャーなどでは測ることが難しい、物の内径や外径の測定も、ノギスを使えば簡単に測ることができます!
各部分の名称は、図のとおりです。
①外側ジョウで外径の測定
②内側ジョウで内径の測定
③主メモリの先端(ステップ)で段差の測定
④デプスバーで深さの測定
この4パターンの測定を、ノギス一本で行うことが可能です。便利ですよね?
目盛りの読み方ですが、本尺目盛と副尺目盛を足した数が対象物の大きさとなります。これを間違えて覚えている人が意外といますので、ここでしっかり覚えましょう!
「目が悪くてこんなに小さい目盛りは見えない!」という方にはデジタルノギスがおすすめですよ!最後に商品紹介しています。
それでは、それぞれの測定例を見ていきます。
①外径の測定
外径測定時は、外側ジョウで対象物を挟み込んで保持します。
スライダーに指を置き、斜めにならないように気を付けてまっすぐに挟み込みます。
- 使用レンチを調べる時に、ボルト・ナットを測る。
- 必要なワッシャーを調べる時に、ボルトの太さを測る。
②内径の測定
内径測定時は、内側ジョウで対象物を押し広げるようにして保持します。
外径測定と比べて、ジョウの当て方が難しいので斜めにならないように注意しましょう。
- 穴やパイプの内径を測る。
- 使用するキーレンチを調べる時に、キャップボルトを測る。
③段差の測定
段差の測定時は、ステップと移動する方の内側ジョウで押さえるように保持します。
これは④のデプスバーを使用しても測定が可能ですが、ステップの面が広いので安定した測定ができます。
④深さの測定
深さの測定時は、主尺の端を対象物に立てて、デプスバーを穴や溝の底に届くまで伸ばします。
主尺の端をまっすぐに対象物に当てることが大事です。
ノギスの目盛りの読み方
前述したとおり、ノギスの目盛りは「主尺の目盛り」と「副尺の目盛り」の二つがあります。
参考例を用意しましたので、それぞれ見ていきましょう!見えにくかったらすみません。
主目盛の読み方
上の図では主目盛は【20】の位置で、副目盛は【0】の位置でピタリと合っています。
なので、これは【20㎜】と読みます。
副目盛りの読み方
次の図では少しずれていて、【20】より大きいですよね?この場合は副目盛に注目しましょう。
副目盛の中で、目盛線がまっすぐ一本の線になっている箇所を探します。今回は【4】の位置で一直線になっています。これを【0.4㎜】と読みます。
なので、【主目盛20㎜】と【副目盛0.4㎜】を足して【20.4㎜】となります。
目盛りの読み方は、「外径・内径・段差・深さ」のどの測定でも共通です。
これは慣れが必要ですが、覚えておけば必ず役に立ちます。
また、測定した数値が半端な数字だった場合、それはインチサイズの可能性があります。
例:12.7㎜ = 1/2インチ

例題を解いてみよう!
それでは例題を出しましたので、目盛りを読んでみましょう!
例題1.
答え:53.5㎜
例題2.
答え:35.1㎜
例題3.
答え:68.7㎜
ピッチゲージ
ノギスの使い方を覚えたなら、次はピッチゲージです。ネジピッチを測りたいときにとても便利なツールなので、ノギスと合わせて持っておくべきです。
使い方は非常に簡単で、写真のようにギザギザが付いた何枚もの板が収納されています。
このギザギザのどれかが、ボルト・ナットのネジ山にピタリと合うようになっています。
上の写真が、実際にボルトに当てている様子です。ピタリと合っていますね。見えにくいですが、それぞれの板にはサイズが印字されており、上の写真の場合は1.25となっています。
このボルトのネジピッチは【1.25㎜】ということが分かりました。
ボルトのネジ径はノギスで測ると【8㎜】でしたので、このボルトのサイズは【M8×1.25㎜】ということです。
ネジ山修正のリコイルや、タップダイスを購入する際のサイズ測定には、ピッチゲージは必要不可欠です。
ピッチゲージにはミリ用とインチ用とがあります。間違わないよう必要な方を選びましょう!
商品ページ
ノギスにも色々なサイズがあります。ボルト・ナットのサイズ測定程度でしたら100㎜のコンパクトなものが使いやすいです。
しかし、汎用性が高いのは150㎜なので、少し大きいですが迷ったなら150㎜でいいでしょう。
また、目盛りを読む必要がないデジタルノギスも人気が高いです。
操作も簡単で、液晶も大きいのでとても便利です。インチサイズの測定も可能で、ミリとの切り替えはボタンひとつでできます。
とても安いピッチゲージですが、これで十分です。
この値段なのでノギス購入時に合わせて購入することをおすすめします。必ず役に立ちますよ!
まとめ
様々な測定ツールがありますが、まずは基本中の基本ノギスを使いこなせるようになりましょう。
DIYで使うなら、高価なものでなくても安価なプラスチックノギスもあります。
使う場面の多い道具なので、工具箱にひとつ入れておきましょう!
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