自動車やバイク、電子機器やゲーム家電に、トルクス(別称:ヘックスローブ,ヘクスローブ,星型,ヘクサロビュラ)という特殊な形状のネジが使われることが多くなりました。
見慣れていない方にとっては、「どのサイズを買えばいいのか、どこを測ればいいのか」わかりませんよね?
そこで今回は、トルクスのサイズ、測り方やミリ換算など、トルクスについて詳しく解説していきます。
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トルクスとは?そのメリット
TORX(トルクス)とは、現在主流の六角ボルトやプラスネジに加えて、近年普及が高まっている新たな規格のネジです。
通常の六角ボルトは、トルクの支点が「角」になるため、磨耗によってボルトの角が丸くなって工具が滑ってしまうことがあります。
トルクスは六角の星型形状のため、トルクの支点を6ヶ所に分散し、角ではなく「面」でトルクを受けます。それによりトルク伝達率の向上と、カムアウトせずに安定してネジを回すことができます。
そのためネジの耐久性が上がり、頭部の損傷・磨耗が少なくなり、使用工具においても割れや磨耗が少なく工具の寿命も伸びます。
そのようなメリットの高さから、車やバイクに使われる大きなトルクスボルトだけでなく、パソコンやゲーム機にも極小サイズのトルクスビスが使われています。
トルクスの種類
トルクスには、トルクス穴付きネジとトルクスボルトがあります。それぞれ使用工具とサイズの規格が異なります。
T型トルクス
写真のようなトルクス穴付きネジに対して使う工具は、凸形状のトルクス工具です。種類としてはドライバー・L型レンチ(キーレンチ)・ビットソケット・ドライバービットが主な工具となります。
サイズ表記はT10,T15,T20…のように頭に「T」が付くので、T型トルクスと呼びます。
また、写真のようにビスの真ん中にある突起(チョボ)を「いじり止め」といい、トルクスねじにはいじり止めが有るものと無いものがあります。いじり止めがある場合は、工具の真ん中に穴の空いたいじり止め対応品(いじり止め付き,いじり止めタイプ)でないと使用できません。
いじり止め無しのトルクス工具では、突起が邪魔をしていじり止めネジには使えませんが、いじり止め対応のトルクス工具では、いじり止め有り/無しのどちらのネジにも使うことができます。
しかし、工具の真ん中に穴が空いている分強度が落ちるので、いじり止め無しのネジに使うと工具自体が破損する恐れがあります。
それでも「両方揃えるのは大変なのでどちらかひとつ」という方は、上記を納得した上でなら「いじり止め対応のトルクス工具」の方がいいでしょう。
E型トルクス
写真のようなトルクスボルトに対して使う工具は、凹形状のトルクス工具です。種類としてはソケットレンチ(ボックス)・メガネレンチが主な工具です。
サイズ表記はE10,E15,E20…のように頭に「E」が付くので、E型トルクスと呼びます。
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トルクスの測り方
トルクスのサイズは、写真の矢印の長さを測りましょう!
測った長さを次の表に当てはめると、探しているトルクスのサイズがわかります。
適応ネジ径/ミリ換算 サイズ表
ネジ径 | T型 | E型 |
T1 (0.8) | ||
T2 (0.9) | ||
T3 (1.1) | ||
M1.6 | T4 (1.3) | |
M1.7 | ||
M2 | T5 (1.4) | |
T6 (1.6) | ||
M2.2 | T7 (2.0) | |
M2.5 | T8 (2.3) | |
M3 | T10 (2.7) | E4 (3.8) |
M3.5 | T15 (3.3) | |
M4 | T20 (3.8) | E5 (4.7) |
M4.5 | ||
M5 | T25 (4.4) | E6 (5.7) |
T27 (4.9) | ||
M6 | T30 (5.5) | E7 (6.1) |
M7 | E8 (7.4) | |
M8 | T40 (6.6) | E10(9.3) |
T45 (7.7) | ||
M10 | T50 (8.8) | E12 (11.1) |
M12 | T55 (11.2) | E14 (12.8) |
E16 (14.6) | ||
M14 | E18 (16.5) | |
M16 | T60 (13.2) | E20 (18.4) |
M18 | T70 (15.5) | E24 (22.1) |
M18 | T80 (17.6) | |
M20 | T90 (20.0) | |
M22 | T100(22.2) |
※( )内はmm。
まとめ
これでトルクスについては、一通り学べたはずです。サイズが分からなくなったときは、この表をご活用ください。
今後も特殊な形状のボルト/ネジは出てくると思います。
そのときはこのサイトでも今回のようにまとめますので、よろしくお願いいたします。
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