プロが選ぶ車のキズ消し艶出しコンパウンド｜3Mとピカールの比較

車の塗装面のキズ消し艶出しコンパウンドといえば、【3M(スリーエム)】が最も有名で品質も最高クラスでしょう。

最近では、金属磨きで有名な【ピカール】からも塗装面用のコンパウンドが多数販売されており、性能と価格面から人気があります。

コンパウンドには、傷やウォータースポットに適したものや、深い艶を出せるものなどがあり、用途や目的によって選ぶ必要がありますが、種類が非常に多いのでどれを選べばいいのか迷いますよね？

 

そこで今回は、プロが現場で使っている【3M】コンパウンドと【ピカール】コンパウンドを比較し、それぞれのおすすめ品を紹介します。

また、コンパウンドの選び方についても詳しく説明していますので参考にしてください。

 

コンパウンドの選び方

カー用品店で販売されているコンパウンドの多くは、シリコンやワックスを含んだ油溶性コンパウンドです。

コンパウンドでキズを取る作用と、ワックス成分でキズを埋める作用の両方が働き、短時間で綺麗になります。

しかし、一時的に綺麗になったように見えても、洗車したり時間が経つと、キズを埋めていたワックス成分が落ちて、また傷が表面に出てきてしまいます。

値段も安く扱いは簡単ですが、その場しのぎで根本的な解決にはなりません。

 

一方、プロが使うコンパウンドはノンシリコン／ノンワックスなので、ワックス成分で誤魔化したりせずにコンパウンドで研磨し、塗装面を綺麗に均します。

コンパウンドでの研磨の原理は、キズ周囲の塗装を削って均一にし、滑らかにすることでキズを目立たなくさせます。塗装を薄く一枚剥がすようなイメージで、洗車では落ちないような雨じみやくすみも落とせます。

 

また、油分を含んでいないことで塗装面の状態を把握しやすく、本当に傷が消えているかの確認ができるので、確実に塗装面を整えることが可能です。

したがって、ポリッシャーを使っての作業なら、ノンシリコン／ノンワックスの製品を選びましょう。もちろん今回紹介する3Ｍとピカールのコンパウンドも、ノンシリコン／ノンワックスです。

 

コンパウンドの種類

コンパウンドを用途別に分類すると、「キズ消し・目消し・肌調整・仕上げ・艶出し」に分けられます。

コンパウンドの粒子の大きさは、中目／細目／極細目／微粒子／超微粒子など、種類は多数あります。

 

深い傷や頑固な水垢・ウォータースポットの除去には、中目や細目などの粒子の粗いコンパウンドを使います。

艶出しが目的なら微粒子や超微粒子などの、目の細かいコンパウンドを選びましょう。

 

次は工程別のコンパウンドの選び方です。製品によって異なるのであくまで参考程度です。

 

キズ取り〜中間仕上げ(目消し・肌調整)

中目／細目／極細目のコンパウンドで、高い切削力で荒い擦り傷や雨じみを消すことができます。

切削力はコンパウンドによって様々で、1200番程度のペーパー傷を消せるほど研磨力の高いものもあれば、淡色車なら仕上げまで行えるものもあります。

 

磨き

極細目／微粒子のコンパウンドで、前段階で付いたバフ目(磨き跡)を除去し、光沢を出します。

また、この番手のコンパウンドでは、水垢や線キズ、洗車キズ、2000番程度のペーパー傷の除去も可能です。

 

仕上げ・艶出し

微粒子／超微粒子のコンパウンドで、バフ目やオーロラマークの除去、最終の艶出しを行います。

特に濃色車にバフ目が残っていると、映り込んだ光が乱反射を起こすので目立ちます。

濃色車は仕上げまで行うことで深みのある艶を得られるので、濃色車は仕上げまで行いましょう。

 

【３Ｍ】おすすめコンパウンド

前半では、まず3Mのコンパウンドを紹介していきます。

業務用製品のため、内容量が多く金額が高くはありますが、品質は確かです。ピカールと見比べると、やはり3Mの仕上がりに軍配が上がるでしょう。

とはいえ、ピカールにも大きなメリットがあるので、前半と後半でそれぞれのコンパウンドを比較してください。

 

3Mの定番コンパウンド
【3M】ハード・1Ｌ 極細目 5981

ハード・1Lは極細目のコンパウンドで、超硬研磨粒子を配合しているので高い切削性を発揮します。

あらゆる塗装色の傷消し・水垢落としに有効で、2000番程度のペーパー目を消すことが可能です。

また、淡色車であればこの一本で光沢のある仕上げまで行える程、高い艶が得られます。

 

◆使用者の感想

 

これを選べば間違いなし！
【3M】ハード・2Ｌ 超微粒子 5985

ハード・2Lは超微粒子のコンパウンドで、キズ消しから光沢仕上げまでも可能とします。

高性能研磨剤の配合により、超微粒子でありながら傷やバフ目を除去する切削性があり、光沢のある仕上げができる磨き能力にも優れます。

淡色車と濃色車のどちらにも適しており、 特に濃色車には高い効果を発揮し、美しい艶が出せます。もちろん淡色車にも有効で光沢のある仕上がりになります。

 

初心者の方で削り過ぎることが心配なら、まずはハード・2から始めることをおすすめします。小さな擦り傷であればこの一本でも十分傷消しが可能です。

濃色車で傷や水垢が気になる場合は、まずハード・1で傷を消し、ハード・2で仕上げをすると深みのある艶を得ることができるでしょう。

 

◆使用者の感想

ハード・1，2は750mlボトルの他に、「270g ねり状チューブタイプ」もあります。ボトル程の量が必要なければ、チューブの方がおすすめです。

 

カット性能重視の高いキズ消し能力
【3M】ダイナマイトカット DC-1L 5936R

ダイナマイトカットは、目消し・肌調整用のコンパウンドの中でも特に切削性に優れており、荒い擦り傷、雨じみ等を消す性能に優れています。

カット性能を重視していながら仕上がりに関しても細かく均一で、伸びがよく扱いやすくなっています。

また、キレもいいので肌調整作業を素早く行うことができ、次工程に素早く移ることができます。

 

◆使用者の感想

 

磨き過ぎを防ぎこだわりの仕上がりに
【3M】ウルトラフィーナ プレミアム 5949

ウルトラフィーナプレミアムは、塗装面の状態を確認しやすく、磨き残しや磨きすぎを防ぎながら丁寧に仕上げていくことができます。磨き過ぎにより塗装面を荒らさないため、初心者の方でも安心して使えます。

 

高性能コンパウンドで切削力も高く、擦り傷や小さな傷の除去が可能です。また、艶が出てからも研磨力が持続するため、さらに磨きあげることでより美しい艶を得ることができます。

 

深いバフ目を気にせずに目消し・肌調整作業が行なえるので、バフ目の目立つ濃色車にも適しています。ウルトラフィーナプレミアム一本で、あらゆる塗装色の目消しから仕上げまでが可能です。

 

◆使用者の感想

 

濃色車の深みのある艶出しに
【3M】ウルトラフィーナ HGN 5969R

ウルトラフィーナHGNは、ウルトラフィーナプレミアムでの肌調整後に、さらなる艶出しを求める際に使用します。

バフ目やオーロラマークを消す性能に優れており、ダブルアクションポリッシャーで使用することで、その性能を最大限発揮します。

特に濃色車に対して、ウルトラフィーナプレミアム使用後のオーロラマークを、ウルトラフィーナHGNで消すことで、より美しく深みのある艶に仕上げることができます。

 

◆使用者の感想

 

高いオーロラマーク除去性能で納得の仕上がり
ウルトラフィーナ グロスアップ 5959

ウルトラフィーナグロスアップは、艶出し専用のコンパウンドです。ダブルアクションポリッシャーで磨くことで、その性能を最大限発揮します。(シングルアクションでも一定の効果はあります。)

各コンパウンド使用後の最終仕上げに使用され、オーロラマークを確実に除去し、納車前に相応しい艶を引き出します。

 

また、非常によく伸びるため、一度の使用量は少量で十分です。(※付けすぎ注意！)

 

◆使用者の感想

 

 

【PiKAL】塗装面用 液体コンパウンド

車の塗装面用のコンパウンドといえば、【3M】を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか？

しかし、量の多い業務用製品では、

「使い切れないし、値段が高い！」

という声をよく聞きます。

 

一度開封したものを長期間置いておくと、「次回使おうと思ったときにはボトルの中で固まっていた」なんてこともしばしばあります。

 

そこで、リーズナブルな価格で一般ユーザーにも購入しやすい【PiKAL-ピカール】塗装面用液体コンパウンドを紹介します。

ご存じの方も多いでしょうが、金属磨きでお馴染みのメーカーであり、その信頼性は高いです。

それでは、ピカール コンパウンドを3M コンパウンドと比較して紹介していきます。

 

【ピカール】塗装面用液体コンパウンド

ピカール液体コンパウンドは、リーズナブルな価格でありながらプロも認める高品質な国産コンパウンドです。また、内容量が500mlと多すぎないので、DIYユーザーにも購入がしやすいです。

まず価格ですが、一本500mlで2,000円前後で販売されています。

3Mのコンパウンドは、プロ御用達で高品質ではありますが、ボトル一本の内容量が750mlや946mlと多く、価格は4,000～6,000円もする為、一般ユーザーにはなかなか手が出しにくいです。

また、コンパウンドでは「傷消し用」と「艶出し用」のように、段階的に番手を変える必要があるので、最低でも二種類のコンパウンドは欲しいところですが、使いきれない量で2本で一万円もするのは厳しいです。

その点、ピカールであれば２本揃えても5,000円しないのはとてもありがたいですね。

 

品質においても、見る人が見れば3M製品の方が仕上がりが綺麗だと感じるかもしれませんが、切削力や使用感は引けを取らず扱いやすいです。

プロの板金塗装屋でも採用されており、高く評価されているので安心して使うことができます。

 

【3M & ピカール】 製品比較表

今回紹介するピカールコンパウンドの性能比較表です。3M製品の同等品をのせていますので参考にしてください。

 

#1000››››#4000››››#8000
粗い›››››››››››››››››››細かい

分類 消せるペーパー目	品名	3M製同等品
【中目】 #1000	LC-050	DC-1L(ダイナマイトカット)
【細目】 #2000	LC-070	カット・1-L エフ・1
【微粒子】 #4000	LC-101	ハード･1-L ウルトラフィーナSC ウルトラフィーナプレミアム
【超微粒子】 #6000 鏡面仕上げ	LC-202	ハード･2-L ハード･2-LN ダーク ウルトラカット･1-L ウルトラカット･2-L
【極超微粒子】 #8000 超鏡面仕上げ	LC-303	ウルトラフィーナHGN ウルトラフィニッシュ マシンポリッシュ インペリアルハンドグレース

 

 

【ピカール】コンパウンド それぞれの特徴

それではピカールコンパウンドの特徴を、それぞれ紹介していきます。

 

中目【ピカール】液体コンパウンド LC-050

 

切れ味抜群の特殊研磨材を使用したカット性能の高いコンパウンド。ウールバフとの組み合わせが効果的で、#1000のペーパー目の除去が可能です。

塗装色が白などの淡色系ならある程度の艶出しはできますが、しっかり仕上げるのであればより細かい番手のコンパウンドで仕上げることをおすすめします。

 

◆使用者の感想

 

細目【ピカール】液体コンパウンド LC-070

カット性能の高いコンパウンドだが、深い傷を付けることなく素早く擦り傷を取ることが可能。

スポンジバフで磨くことで、♯1200～1500のスクラッチキズに対応します。

細かい擦り傷にはこちらを使い、深い傷なら050をおすすめします。

 

◆使用者の感想

 

微粒子【ピカール】液体コンパウンド LC-101

切れ味抜群の微粒子硬質研磨材を使用した作業性のよいコンパウンド。

#1500程度のペーパー目を消せる切削力もあり、淡色系なら仕上げまで可能な仕上げ性能にも優れています。

濃色系ならこのコンパウンドで目消しを行い、次に紹介する202や303での艶出しがおすすめです。

 

◆使用者の感想

 

超微粒子【ピカール】液体コンパウンド LC-202

超微粒子の硬質研磨材を使用し、＃2000のペーパー目の除去から鏡面仕上げまでを行える、オールラウンドなコンパウンド。

粉やカスの発生が少なく、バフ目やオーロラマークの除去に優れており、特に濃色系のボディでは深みのある艶を得ることができます。

 

◆使用者の感想

極超微粒子【ピカール】液体コンパウンド LC-303

極超微粒子の軟質研磨材を使用し、軽いスリキズの除去から、バフ目のつかない超鏡面仕上げが可能です。

濃色車の仕上げに最適で、深みのある鮮明な艶を得ることができます。

 

◆使用者の感想

 

画像出典：https://www.amazon.co.jp