自動車やバイクを整備している際に、ボルト・ナットのかじり(焼付き・固着)に悩まされたことはありませんか?
高温にさらされるボルト・ナットは、焼き付いて固着してしまうことがあります。
マフラーなどのエキゾースト類やブレーキ周辺は、特にかじりやすい箇所として多くの人を悩ませています。高温箇所のボルトを緩めようとして折ってしまったという人も少なくないでしょう。
そこで今回は、負荷の掛かるサーキット走行車では常識!一般整備でも簡単に取り入れることができる焼付き防止グリスの特徴とおすすめ品3選を紹介します!
焼付き(かじり)防止グリス
高温箇所のボルトやネジには、焼付き防止グリスをネジ山に塗っておかないと固着する恐れがあり、特に同じ材質同士の場合、より焼付く(かじる)可能性が高いです。
雨による錆と高温によるかじりで、ガチガチに固着してしまったボルト・ナットは手に負えません。
軽度のかじりであれば、CRC等の潤滑剤で外れてくれれることもありますが、マフラー等の場合は錆による腐敗と固着で、ボルトが折れてしまうことが多々あります。
そうならないように、事前に焼付き防止グリスをネジ山に塗っておき、分解時に楽に緩められるようにしましょう!
焼付き防止グリスの効果
焼付き防止グリスは、ネジ山に塗布するように使います。
高温でも溶け落ちず、漏れ出さずにネジ山に残るので、ネジ部を保護し金属の焼付き・固着を防ぎます。
マフラー以外にもホイールボルトや、スパークプラグ、ブレーキ周辺のボルト、触媒、排気系全般によく使われています。
「組付け時に、焼付け防止グリスをネジ山に塗る。」
このひと手間で、面倒な折れたボルトの除去やパーツの破損による出費を防げます。
焼き付き防止グリスの使い方
焼付き防止グリスはの使用可能温度の上限は、製品によりますが、800~1300℃とかなりの高温下で使用可能です。これだけの耐熱性があるので、熱によって飛んでしまうことはありません。
使い方は簡単で、組付け時にネジ山に薄く塗るだけ。
多く塗ってもボルトを締め込むとはみ出して意味がないので、はみ出さないように薄く少量でいいです。
組付け時にスッと塗っておくだけで、次回整備の分解がとてもスムーズに行えます。
指で広げてもいいですが、洗っても落ちにくいので、適当なブラシ(歯ブラシなど)で広げるといいですよ!
メーカーによってはスプレータイプもあるので、手も汚れず薄く塗り広げるのに便利です。
使い方は簡単で効果は高いので、ぜひとも取り入れるべきアイテムです。
焼付き防止グリスおすすめ3選
焼付き防止グリスの商品名は、スレッドコンパウンドやアンチシーズ、カッパーグリスなど様々な呼び名があります。
高温にならない箇所にはモリブデングリスをかじり防止に使うことがありますが、高温下では耐熱性の高い焼付き防止グリスが必要です。使用温度に気を付けて商品を選びましょう。
それでは、おすすめの焼き付き防止グリスを3点紹介します。
- 【WAKO’S】スレッドコンパウンド
- 【Permatex】アンチシーズ
- 【LOCTITE】焼付き防止潤滑材
【WAKO’S-ワコーズ】スレッドコンパウンド V170
【製品情報】
- 銅粉を主体とした各種微粉末金属粒子と極圧材により、高温高荷重によるカジリ・溶着を防ぎ、サビや腐食による取付け部の固着を防止します。
- シール性に優れ、締付けトルクを一定に保ちます。
- マニホールド、マフラー、スパークプラグ、エンジンシリンダーヘッド等の高温部のネジのカジリ防止に。
- ドラム・ディスクブレーキ周りの各金属部位にも使用可能。
- 使用温度範囲:-30〜850℃
- 内容量:100g
WAKO’S スレッドコンパウンドは、銅粉を主成分とした微粉末金属粒子であるため、高温下でも長期間にわたりその性能を保持します。
シール性が高いので、高温下に限らずネジの固着や錆、腐食を長期間に渡り防ぎます。
内容量は100gもあるので、ホビーユーザーならかなりの期間使えるでしょう。仕事で使用量が多いプロの方にもおすすめです。
「ケミカル類はワコーズを使っていれば間違いない」と言われるほど信頼性の高いメーカーで、このスレッドコンパウンドも実績があります。
また、塗布に便利なスプレータイプも販売していますのでご確認ください。
◆使用者の感想
- 行きつけのショップで教えてもらってから使い始めたが、整備が本当に楽になります!スレッドコンパウンドを使う前は、よくバイク屋に泣きついていましたが、今では自分で楽に分解できています。
- 添加剤でもよくお世話になるワコーズ。かじり防止グリスでも迷わずワコーズを選びました。どうせならいい物をと思い、少し高いですがワコーズなら安心して使えます。
- 色々なメーカーがありますが、結局ワコーズを選びます。伸びが良く一度の使用量はごくわずか。品質は満足しており、分解の多いスタッドボルトには必ず塗るようにしています。
- プラグ、マフラー、ブレーキに使用。さすがワコーズ、品質は間違いないですね。長く大事に乗る車両には必ず使っておきたい商品です。おすすめします!
【Permatex-パーマテックス】アンチシーズ #81343
【製品情報】
- 高熱部に使用するネジに塗布して組み付けることで、ネジ焼き付きによるカジリ、錆・腐食等を防止。
- ネジの脱着を頻繁に行なうカスタムバイクにおすすめ。
- 潤滑効果が高く、組み付け時のトルク管理も完璧に行える。
- バックプレートに塗布して、ブレーキ鳴き止め剤としても使用可能。
- 適用温度範囲:-51℃~871℃。
- 内容量:28g
パーマテックス は、アメリカ最大のケミカルブランドで、品質の高さから世界中で高い評価を得ています。
世界各国の自動車メーカーに原子力発電所、航空宇宙産業に純正採用され、その信頼性・品質の高さが証明されています。
パーマテックス アンチシーズも、品質の高さで評判が良く、日本でも多くの工場で愛用されています。
内容量は28gと少なめですが、薄く塗って使うグリスなのであまり大量には必要ないと言う方も多いでしょう。ホビーユーザーの方にとっても、使い切れるサイズとしてちょうどいい量だと思います。
高品質の焼付き防止グリスを、少量でお手頃価格で買えるとあって人気の製品です!
スパークプラグ、シリンダー、エクゾーストヘッドボルト、エキゾーストマニホールド、エンジンボルト、スパークプラグねじ部、マフラークランプ、O2センサー取り付けボルト。
高温下にあるセンサーボルト、ヒンジ、ギア、チェーン、ケーブル、スプロケット、ベアリング、ローラー、バルブ、レバー等に使用可能。
◆使用者の感想
- 優秀なかじり止めグリス。ブレーキパッドに塗っての鳴き止めとしても使え、耐熱温度が高いので熱で流れる心配がなく安心。そして何より量がちょうどよく安い!
- 世界トップメーカーで信頼性があります。一般ユーザー向けに少量で販売してくれるのもありがたい!これでもかなりの期間使えるのでコスパは抜群!
- サーキットに行った際、使っている人が多かった商品で、かじり防止にはこれが一番とのこと。それ以来、自分もずっとパーマテックスを使い続けています。マフラーやプラグ、足回りの固着防止には必須。
- これを塗ると塗らないとでは、次回分解時に大きく変わります。プロは必ずこの手の商品は使っています。なかでも、パーマテックスは全く固着せずスムーズに外せるのでおすすめです。
【LOCTITE】焼き付き防止潤滑剤 51001J
【製品情報】
- 銅を含んだ高品質グリース。
- 金属接合部分を焼き付き・カジリ・腐食から守ります。
- プラグやマフラー固定ボルト等を保護し、焼き付きを防止します。
- MIL-アメリカ軍用規格認定品
- 使用可能温度:982℃
- 容量:28g
ロックタイト 焼き付き防止潤滑剤は、アメリカの軍用規格認定を得た高品質な焼付き防止グリスで、世界でも高いシェアを誇ります。
本記事で紹介している3点の中で最も耐熱温度が高く、982℃まで使用可能となります。
内容量はパーマテックスと同じく少量で、劣化前に使いきるのにちょうどいい量です。
他に、スプレータイプやスティックのりの様に使えるスティックタイプがあり、使い勝手の良さからそれらも人気が高いです。
ネジ緩み止め剤においても世界シェアNo.1のメーカーであるロックタイトなので、知名度の高さと信頼できる品質として多くの方に選ばれており、評価も非常に高い製品です。
◆使用者の感想
- ロックタイトの製品なのでまず間違いありません。このグリスを使い始めてから焼付きで困ることはなくなりました。耐熱温度が高いので、薪ストーブやバーベキューグリルなどにも安心して使えます!
- キャリパーボルトやホイールボルトに塗布したところ、焼き付かず、かといって緩むこともないので必ず塗っています。次回整備が本当に楽になるので、素人整備だからこそ使っておくべきケミカルですね!
- ロックタイトのグリスはネットでの評判も良く、プロの整備士も使っているので安心して使えます。今ではこれを塗っておかないと不安なほど効果を実感しています。
- アメリカ軍用ということで、厳しいテストをクリアしていると思うので安心感が違います!実際に車やバイクの使用には全く問題なく使えているので、自分で整備をされる方は使っておくことをおすすめします!
使用上の注意点
- ネジ山へは均一に塗布すること。
- ネジロック剤との併用は不可。
- 焼き付き防止グリスを塗ることで、ボルトの締め付けが軽くスムーズになります。いつも以上に強く締め込んでしまう恐れがあるので、トルク管理に気を付けること。
- ホイールボルトへの塗布は賛否が別れます。製品によっては使用を禁止しているものもありますので、確認した上で使用してください。
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