以前、オイルフィルターレンチ適応サイズの記事を書き、メーカー別に各車種のフィルターレンチのサイズを紹介しました。
今回は、オイルエレメント(オイルフィルター)の交換に使う専用工具、フィルターレンチの形状別おすすめ品を紹介します。
主なオイルフィルターレンチの種類
フィルターレンチには、様々な種類・形状の工具があります。
カップレンチ
それぞれのサイズ毎に揃える必要がありますが、最も確実性の高いレンチ。ラチェット等のハンドルに取り付けて使用します。
アジャスタブルレンチ
可変式のレンチで、ひとつで幅広いサイズに使用できる便利なレンチ。カップレンチで滑ってしまった時でも、アジャスタブルレンチでは外せることがあります。しかし、フィルターの角に上手く当てないといけないので慣れないと難しいかも。また、乗用車サイズまでのものが多く、トラックなどの大型フィルターにはほとんど使えません。
プライヤータイプ
通常のプライヤーと同じ使い方で、オイルフィルターを掴んで外します。小さなサイズから大きなサイズまで幅広く使えるが、グリップを握りながら回さないといけないので、フィルターの周囲にスペースがないと使うことができません。トラック等の大型車で活躍します。
チェーン・バンドタイプ
オイルフィルターに巻き付け、締め付けて回します。プライヤーと同様、小さなサイズから大きなサイズまで幅広く使えるが、ハンドルの振り幅が大きいのでフィルターの周囲にスペースがないと使うことができません。トラック等の大型車で活躍します。
車種によっては、オイルフィルターの取り付け箇所の周囲にスペースがなく使える工具が限られることがあります。
作業前に車両の作業スペースを確認しておきましょう!
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カップ型オイルフィルターレンチの選び方
カップ型のレンチは、それぞれのオイルフィルターにぴったり合うように作られているので、当然ですが1㎜でも違うと全く使えません。
そこで、カップレンチを選ぶ際の注意点をあげておきます。
まず、オイルフィルターの角数を確認します。国産の軽自動車・普通乗用車であれば、ほとんどが14角か15角となります。(※一部特殊形状あり。)
トラックやバス等の大型車では、15角,16角,17角,18角があり、輸入車ににも多くの形状があります。
カップレンチを選ぶ際は、まずオイルフィルターの角数を数えてからサイズを測ります。
サイズを測る場所は、レンチが掛かる角がある部分です。ここでは14角と15角の測り方を説明します。
14角であれば平面から平面の長さを測ることで、フィルターレンチのサイズが分かります。
15角では、頂点から対辺の長さを測ります。
画像出展:https://www.straight.co.jp/
★メーカー車種別にオイルフィルターのサイズは、こちらの記事で表にしています。

オイルフィルターレンチ おすすめ5選
タイプ別におすすめのフィルターレンチを5点紹介します。
場面に応じて使い分けをすることで作業効率が上がりますので、こんなレンチがあるのかと知っておくだけでも役に立つと思います。
【KTC】カップ型オイルフィルタレンチ
それぞれのオイルフィルターに適したサイズを選んで使うカップ型のフィルターレンチ。KTCでは全31サイズのラインナップがあり、国産車はもちろんのこと大型トラックや輸入車用のカップレンチも揃えています。
安いものでは500円程で販売されているカップレンチもありますが、このKTCのレンチは少し高いですが使い勝手がよく高強度です。
KTCのカップレンチは、アルミダイキャスト製で軽く、ラチェット等のハンドルレンチを使う差込角(スクエア)とメガネレンチを掛けられる六角付きで、作業スペースによって使用工具を選ぶことができます。
小さいサイズで1300円~、大きなサイズでは2000円を越えるものもあり全サイズ揃えるとなると高額ですが、サンデーメカニックなら自身の車用にワンサイズだけ持っていればいいので、安物を買うならひとついいものを持っていてもいいでしょう。
500円のレンチでもいい物はもちろんありますが、差込角だけで六角がなかったり、ものによってはその差込部分も厚みが無くなめてしまうことがありますので、KTCのしっかりした造りのカップレンチをおすすめします。
◆使用者の感想
- メガネレンチで回せると、力が掛けやすくていいですね!サイズもピッタリで、滑らず回せました。見た目はゴツいですが実物はとても軽くて使いやすいです!
- KTCのカップレンチで間違いなし!エレメントにピッタリはまり、ガタ無く安心して回すことができました。そこまで高いものでもないので安心のメーカー品にして正解でした!
【ストレート】オイルフィルターレンチ アジャスタブルタイプ
【製品情報】
- 差込角:3/8″(9.5mm)または1/2″(12.7mm)
- 六角部:21mm
- 適応フィルター外径:63~102(φmm)
- つかみ深さ:30mm
- 重量:350g
- 締め、緩め両方向に使用可能。
3本の爪が可動して、幅広いサイズのオイルフィルターに対応できる可変式フィルターレンチ。これひとつで多数の車種に使用でき、サイズの合うカップレンチがない時にも緊急用としても役立ちます。
絞め緩めの両方に使え、レンチを回すにつれて爪が噛み込むので、強力に保持して回すことができ、変換アダプター付きなので使用工具の選択ができます。
使い方には慣れとコツが必要で、そこが賛否のわかれる点でもあります。
コツというのか、使う上での注意点ですが、爪を掛ける位置はフィルターの角部でないといけません。筒の部分では滑って回すことができません。
様々な形状のオイルフィルターに対応できるように爪の掴める深さを30㎜にしているので、角部の浅いフィルターでは上図のように浮かせて掛ける必要があります。
慣れるとスムーズに掛けることができ、多くの車種で使えることを考えると非常に便利ですが、なかには上手く使えずに買ったことを後悔したというレビューもあります。
また、3点掛けのこのレンチでは、固く締まったフィルターに使うとフィルターの角を潰してしまうことがあるので、トルクの掛けすぎには注意が必要です。
アジャスタブルレンチは複数の車両を整備するなら非常に有用ですが、自分の車だけに使うのならカップレンチをおすすめします。
◆使用者の感想
- コツを掴めばかなり便利なレンチ。カップだと各サイズ揃えないといけないが、幅広く使えるのでこれひとつあれば多数の車種に対応できる。慣れが必要なので自分の車だけに使うならカップでいいと思う。
- 値段も安く幅広いサイズに対応しているので、私にはかなり有用なツールです。カップでは滑りそうな時でもしっかりと噛み込んでくれました!賛否あるようなので、使い方がわからなければやめておいた方がいいです。
【エーモン】フィルターレンチ
エーモンのフィルターレンチは前述のアジャスタブルタイプ同様に、ひとつで広い範囲のフィルターに対応しています。
小径用から大径用まで3サイズがラインナップされています。
使い方は上図のとおり、オイルフィルターの角部にレンチを掛けて回します。取り付け取り外しのどちらにも使えますが、フィルターに傷が付くので取り付け時にはウエス等を挟むといいでしょう。
また、レンチは厚みがあり、ハンドルを横に振らないといけないので、使えない車種もあります。事前にフィルター周囲のスペースを確認しておきましょう。
◆使用者の感想
- ハンドルを振るスペースがないと使えないが、オイルフィルターをガッチリ掴んでくれるので緩めやすい!トラック用のカップレンチは値段が高く、全サイズ揃えられないのでこのレンチにすごく助けられています!
- 値段が安く造りもよく、バイクでも車でも大抵のフィルターは緩められる。(もちろんレンチを掛けるスペースがある車両に限ります。)ひとつ備えておくと、サイズの合うカップレンチがないときの緊急用に重宝します。
【ストレート】オイルフィルタープライヤー
【製品情報】
- 適応フィルターサイズ:φ57mm~φ127mm
- 全長:340mm
- 重量:550g
プライヤータイプのフィルターレンチで、ウォーターポンププライヤーのように開口幅を調節することができます。
適応範囲が広く、最大でφ127㎜の大径フィルターに対応し、グリップが長く力を掛けやすいので大型トラックにも使用できます。
フィルター周りにスペースがないとプライヤーを回せませんので、その点は確認しておきましょう。
◆使用者の感想
- オイルフィルターはもちろんのこと、燃料フィルターにも使えます!チェーン式のレンチも持っていますが、プライヤーの方が使いやすいのでこればかり使っています!
- ジョーの開く幅を細かく調節できて使いやすい!構造上フィルターには傷が付いてしまうので緩め専用に使っています。これひとつでトラックの大径フィルターも楽に緩められるのでおすすめです!
【KTC】アジャスタブルオイルフィルターレンチ
【製品情報】
- 差込角:3/8″(9.5mm)
- 適用径:φ63〜79mm
- 本体サイズ:D56×W66×H41mm
- 重量:300g
取り外し専用のアジャスタブルタイプのフィルターレンチ。軽自動車から普通車のフィルターに対応し、輸入車等の特殊形状のフィルターも外すことができます。
内部にはバネが内蔵されているので、フィルターへの装着が容易です。
四本爪にはそれぞれ三山の溝が掘られており、あらゆる形状、角数のオイルフィルターを強力に保持して滑りません。三本爪のアジャスタブルレンチのように角が潰れる心配も、四本爪ではリスクが軽減します。
取り外し専用という点には注意が必要ですが、カップレンチや他のツールでは滑ってしまうといった緊急時など、使いどころさえ理解していればとても重宝するフィルターレンチです。
◆使用者の感想
- エレメント外しにはこれ一択!噛み込みが強力なので、アホみたいに強く締めていてカップレンチでは滑ってしまうフィルターもこれなら外せました!作業効率が上がるので値段の価値は十分にあります。さすがKTC!
- 固くしまったフィルターもこれで安心です。似たようなツールは他にもあるが、爪の噛みつきトルクは圧倒的にこの製品が強い。かなりの力を込めても滑らずに噛み込んでいたのには驚いた!
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