放置していたバイクのガソリンタンクの中を覗くと、サビだらけ….。そのままガソリンを入れてしまうとサビが燃料ラインに流れてしまい、エンジン不調の原因となることもあります。
内部が錆びたタンクはそのままでは使えないので、なんとか補修できないかと悩んでいる方も多いでしょう。バイク屋に持ち込まずに、自分でできる方法があれば試したいですよね?
そこで今回は、DIYで錆だらけのガソリンタンクを強力補修!!【POR-15】フューエルタンクシーラーを紹介します。
リペア・レストア界で高い信頼性を誇る、プロ御用達の最強防錆塗料です。
【POR-15】フューエルタンクシーラー
POR-15は世界52ヵ国で販売されている、防錆塗料の有名ブランドです。
今回紹介するガソリンタンク内のコーティング剤【フューエルタンクシーラー】は、完全乾燥後には剥がすことが不可能なほどの強固な塗膜を形成します。
また、この塗膜は無気孔性であり、空気や水分を一切通さないため、施工後には錆が再発する心配がありません。非常に強固な塗膜を形成するフューエルタンクシーラーは、ガソリンに侵されることなく半永久的にタンクを守ってくれます。
タンクに空いた小さな穴(ピンホール程度)であれば、タンクシーラーが流れ込み穴を塞いでくれます。穴が大きい場合には事前に金属パテで穴埋め補修をしてからコーティングに移りましょう。
使い方
非常に効果の高いフューエルタンクシーラーですが、正しい施工をしないと失敗します。正しい使用方法で注意点に気を付けて作業に臨みましょう。
また、タンクシーラーは強力なので、手に付くとお湯や洗剤で洗ってもなかなか落ちず数日、数週間は残ってしまいます。服についたら諦めるしかありません。
乾く前ならシンナーである程度落ちるので、付着させてしまったらすぐに拭き取りましょう。
では使用方法の説明を始めます。
1.ガソリンタンクを取り外す
車両よりガソリンタンクを取り外し、タンクキャップ、燃料コック、センサーなど全ての付属部品を外す。
2.穴を塞ぐ
注入口以外の穴を、適当な栓で液が漏れないようにしっかり塞ぐ。
3.タンク内の洗浄
水溶性の部品洗浄剤をタンクに入れ、何度も揺すり、タンク全体の汚れを落とす。洗浄液を数回交換して、汚れや堆積物を念入りに除去する。
最後にお湯ですすぐか、水道水で水圧をかけてすすぐ。
※汚れが残っているとコーティングできません!
※POR15から洗浄剤クリーナーディグリーザー(旧:マリンクリーン)が出ていますが、普通の洗剤でも大丈夫です。
★タンク洗浄にはこの洗剤がおすすめ!
カーボンやオイル類、油性塵埃などを速やかに除去する水溶性洗浄剤。金属部品洗浄の強い味方!
4.サビ処理
錆除去剤を注ぎ入れ、内部全体に行き渡らせるように回転させる。適度にタンクを回して隅々のサビを落とす。
全ての栓をはずして最後にお湯ですすぐか、水道水で水圧をかけてすすぐ。剥がれ落ちたサビや堆積物が残らないように丁寧に流す。
メタルプレップを原液のまま注ぎ入れ、サビが少ない場合は30分、サビがひどい場合は30分ごとにタンクを回して数時間置く。処理が進むとサビは黒っぽい色に変化します。
メタルプレップはタンクシーラーの吸着性を高める下地処理の効果もあります。
★下記リンクのサビ除去剤も強力なので、本作業にもおすすめです。
5.完全乾燥
コーティング前にタンク内部をドライヤーなどの温風で、完全に乾燥させる。
ここが最大のポイントといってもいい作業です。少しでも水滴が残っているとコーティング剤が付着せず、コーティング剤の剥離やサビの再発、気泡の発生の原因となります。
ここをどれだけ丁寧にするかが成功と失敗の分かれ目です。
※タンク内部は完全に油分がなくなった状態なので、乾燥後に長時間放置するとサビが出るので注意。
6.注入口以外を塞ぐ
注入口以外の穴をシーラーが漏れ出さないようにしっかりと塞ぐ。
※取説には、樹脂系の栓で塞ぐことを推奨しています。
左図のように、穴をビニールやテープで覆う「フタの形」を取る方も多いですが、ラインをシーラーで塞いでしまう恐れがあります。なので、取説では右図のような「栓」と指定していると思われます。
とはいえ、穴にピッタリはまる樹脂系の栓はなかなか手元にないと思うので、硬化前にしっかりとラインを確保できれば「フタ」でも問題ないと思われます。
どうしても栓が必要でしたら、ホースプラグなどのラインストッパーがおすすめです。
7.シーラーの注入
フューエルタンクシーラーを開封すると分離しているので棒など(割り箸でOK)でよく混ぜる。
タンクに注ぎ、内部全体に行き渡るようにタンクを回転させ、すぐに余分を抜き取る。
※完全硬化後はコーティング表面はツルツルになり、吸着性が悪いので重ね塗りは基本的に無理です。(コーティング面を荒らせばできるかもしれません。)
一度でしっかりと行き渡らせましょう。
タンクシーラーは大・中・小の3サイズあります。それぞれの処理容量は次の通りです。
■処理容量の目安
タンクシーラー | 236ml | 473ml | 946ml |
---|---|---|---|
処理容量 (ガソリンタンク容量) |
20L | 50L | 100L |
8.乾燥・完成
全ての栓を外し、換気の良い場所で96時間乾燥させる。(気温22℃の場合)
※乾燥を早める場合は、低圧の空気(弱風)を送る。コーティングがよれるのでドライヤーの温風や強風は厳禁!
※乾燥時、フューエルタンクシーラーで燃料ラインやブリーザーラインなどを塞がないように置き方に注意しましょう。また、完全乾燥までにラインにシーラーが詰まっていないか、何度か確認することをおすすめします。
◆使用者の感想
- 時間はすごく掛かりますが、準備をして挑めばそれほど難しい作業ではなかったです。きれいにコーティングでき、満足のいく仕上がりでした!これで半永久的に効果が持続するなら、やる価値は充分あります!
- シーラーとしての能力は一級品。とても硬い塗膜を作ってくれます。小さい穴ぐらいなら、タンクシーラーでふさがります。製品は大満足だが、蓋がものすごく開けにくい。
- 以前旧車に使ったときにとてもよかったので、今回は新品タンクを取り付け前にコーティングしておきました。これでコーティングしておけば安心です!
- よく伸びるのでタンクの中に入れてくるくる回すと、満遍なく広がって綺麗にコーティングできます。ピンホールも完全に塞いでくれ、漏れもなくなりました。密着性,耐久性も高く、コスパもいい最高のコーティング剤です。
商品ページ
POR-15パッチパテ
ひどい錆の場合、穴が開いたり亀裂が入ったりと、そのままではタンクシーラーでコーティングできませんよね?
そんなときは、POR-15パッチパテを使いましょう。粘度が高いパテなので、穴や亀裂の補修に大変便利です。
注意点
- 換気のいい場所で作業すること。
- 手などに付くと落とすのが困難なので気を付けること。
- POR-15は可燃性の為、火気厳禁。
- 一度フューエルタンクシーラーで処理したコーティングを除去するのは不可能!
- 抜き取った余分の液は再使用不可。
- シーラーで燃料ラインなどの穴やパイプを塞がないようにすること。硬化してしまうと除去ができない為、ドリルなどで修正が必要になります。
- タンク内部に燃料の偏りを防ぐ仕切りがあるものには使用できない。
ひとつお尋ねしたいのですが、タンクシーラーの注意点として「タンク内部に燃料の偏りを防ぐ仕切りがあるものには使用できない。」とありますが、どういった理由から使用できないのでしょうか?
錆取り作業が終了後タンクシーラーでコーティングを行う前にこちらのサイトを目にしました。
GSX-R750油冷のタンクなのですが、上部の水平面に仕切り板がございます。お返事を参考にし、施工を行うか錆取りまででやめておくか慎重に検討したいと思っています。
質問についてですが、取説等にも明確な理由は記載されていませんでした。
推測となりますが、
- 仕切りがあることでシーラーが均一に満遍なく行き渡らない。
- 水が少しでも残っているとシーラーが付着しないことから、仕切りがあると完全に乾燥しているか確認が難しい。(乾燥しにくい。)
- 仕切りがあることでシーラーが偏り、乾燥時間に差が出る。
といったことが考えられます。
使用不可ということはないと思いますが、「適さない」や「使用が困難」といったところでしょうか。
施工されるかは自己判断でお願いしますが、上記の点を気を付けて頂ければ不可能ではないと思います。
また、仕切りがある分、施工面積も広くなるので、通常よりもシーラーの量を多く用意する必要があると思います。
このように返答させていただきました。あくまでも推測となりますのでご参考までにお願いします。
まとめ
最強の防錆塗料POR-15のフューエルタンクシーラー。
一度コーティングすればサビの再発もありません!
コメント