穴あけ用途のドリルと、ビス締め用途のドライバーの2つの機能を兼ね備えたドライバードリル。
組立家具やDIY木工を製作する上で必須とも言える電動工具である為、各メーカーが力を入れており種類も豊富です。
その為、「選ぶポイントがわからない。」「どれを買えばいいか分からない。」という方も多いでしょう。
そこで今回は、電動ドライバードリルの選び方とおすすめ機種を5点紹介します。
電動ドライバードリルの選び方
1台で穴あけとねじ締め作業が可能なドライバードリルですが、先端ビットを付け替えることで幅広い用途に使うことができます。
- +(プラス)や−(マイナス)といったドライバービット
- 穴あけ用ドリルビット
- タイヤ・ホイール用の洗浄ブラシ
- スポンジやサンドペーパーを取り付けるパッドアダプター
国内メーカーや海外メーカーから多くの機種が販売されているので、まずはドライバードリルを選ぶ上で押さえておきたいポイントを紹介します。
コードレスタイプorコード式
給電方式は、「充電式のコードレスタイプ」と「AC電源(コンセント)のコード式」の2種類あります。
どちらにするか選ぶことで、製品を半分に絞ることができますので、まずそこから選びましょう。
使用環境によって使いやすいさが変わるので、それぞれのメリット・デメリットと特徴を説明します。
■コードレスタイプ
付け替え式のバッテリーを充電して使用する。
コードが無いので取り回しがよく、電源確保の必要がないので屋内屋外問わず使用でき、携帯性に優れています。
しかし、バッテリー残量が減るとパワーが落ち、再度充電するのに時間が掛かります。連続使用するのなら予備バッテリーを用意しましょう。
■コード式
AC100V電源(家庭用コンセント)に繋いで使用する。
充電式とは違い、常に安定したパワーで作業ができま。充電を気にせず長時間の作業で使いたいならコード式がおすすめです。
しかし、電源の確保が必要な為、コンセントの無い場所では使用できません。また、コードが邪魔になることもしばしば。コードが短い場合は延長コードが必要になるでしょう。
最大トルク
性能を比較する基準として重要なポイントなのが「トルク」という数値です。この数値が高ければ高いほど、ネジを締めつける力、ドリルの穴開け能力が高くなります。
一般向けには20~40N.m(ニュートンメートル)のものが多く、この程度のトルクがあればDIY作業には十分と言えます。
トルクは【弱〜中〜強】と、段階的に調整できる製品がほとんどです。
より大きなビス止めやドリルの使用を考えているのなら、プロ向けの大型機種には50N.m以上のものもあるので、そちらを検討しましょう。
チャック能力
ドリルやドライバー等のビット(先端工具)を掴む部分を「ドリルチャック」と呼びます。このドリルチャックが何mmまでの太さのビットを掴めるのかが重要になります。
一般的には、最大能力が「6.5㎜/10㎜/13㎜」の3タイプがあり、DIY向けには最大10㎜の機種が多く選ばれています。大きなドリルの使用を想定しているのなら13㎜も視野に入れましょう。
また、チャックを締めるのにキーアダプターが必要な「キーチャック」と、キーが不要で手で締める「キーレスチャック」がありますが、DIY用には扱いが簡単なキーレスチャックをおすすめします
(左)キーチャック/(右)キーレスチャック
■キーチャック
チャック自体が金属なので耐久性が高く、キーアダプターを使用して強く締め上げることができるので、使用中に緩みにくいです。ただし、キーを使ってのビット交換は手間がかかり、キーを紛失してしまうと交換ができなくなるデメリットがあります。
■キーレスチャック
キーを使わず手締めなので素早いビット交換が可能です。しかし、手の馴染みを良くするために樹脂製であることが多く、耐久性ではキーチャックに劣ります。それでも使い勝手の良さ、キーの保管の面倒さを考えるとDIY用にはキーレスチャックがおすすめです。
回転数
回転スピードのことです。作業によって適した回転数に調整することで、作業のやりやすさや安全性が上がります。
回転数はmin-1という単位で表記され、2000min-1は毎分2000回転するという意味です。
ドライバービットでのビス止めであれば200min-1程度で十分ですが、ドリルでの穴開けは、木材では2000min-1程度が必要で、金属では2000min-1以上の回転数が必要となります。
ほとんどのドライバードリルには回転数の調節機能が備わっています。調整方法は確認しておきましょう。
その他の便利機能
必須ではありませんがあると便利な機能です。必要に応じて備わっているか確認しておきましょう。
■LEDライト
手元を明るく照らす機能。暗所での作業が快適になる。
■無段変速回転数
トリガーを引く量によって回転数を調整できる機能。弱く引くとゆっくり回り、強く引くと早く回る。多くのドライバードリルに備わっている機能。
■バッテリーインジケーター
バッテリーの残量表示機能。残量がひと目で分かり便利。
おすすめのドライバードリル5選
今回紹介する機種は、全てキーレスチャックタイプを選んでおり、コードレスが4台、コード式が1台となります。
前項の選び方と合わせて、
- セットのドリルビットの種類
- 収納ケースの有無
- バッテリーの個数
といった付属品の確認も重要です。
それではおすすめドライバードリルの紹介へと移ります。
【VOLTAGA】充電式ドライバードリル ビット32点セット VOL2.0-13811
【製品情報】
- 最大締付トルク:35N·m
- チャック能力:0.8-10mm
- トルク調整機能:21段階(+3パターン切替)
- 電圧:20V
- バッテリー容量:2000mAh
- 充電時間:1.5時間
- 本体重量:約1.3kg
- LED照明ライト付き
【付属品】
金属用ドリルビット×6/木材用ドリルビット×3/ビットセット×32/延長アダブター×1/フレキシブルシャフト×1/洗浄ブラシ×3/2.0Ahバッテリー×1/充電器/収納バッグ
高出力で豊富な付属品、そしてリーズナブルな価格が魅力的な【VOLTAGA】充電式ドライバードリル。
最大35N.mの高トルクで効率よく作業をこなし、2000mAhの大容量バッテリーで長時間の連続駆動に対応。本体側面にバッテリーのインジケーターがあり、作業中のバッテリー残量の確認も容易です。
作業に応じて細かくトルク調整ができ、回転数は【低速⇔高速】の切り替えと、トリガーを握る力で無段階微調整が可能です。
また、ドリルビットやドライバービットが一通り付属されており、フレキシブルシャフトを使えばドライバードリルが入らないような狭所であってもビス止めを可能とします。
さらに、LEDライト付きなので暗所での作業も快適です。
3種類の洗浄ブラシが付いており、ホイールや風呂場などの水回り、アウトドア用品の洗浄に最適で、専用バッグに収納すれば場所を取らず、持ち運びにも便利です。
この1セットで一通りのDIY作業ができる、お得なドライバードリルです。
◆使用者の感想
- DIY初心者でドリル購入は初めてでしたが、軽くてもパワーがあり使いやすいです!2×4角材の穴空けビス止めもラクラクこなせました。
- 安価なドライバードリルですが、付属品も多くドリル本体の造りもしっかりしています。バッテリー容量も十分で、趣味で使うのに丁度いいスペックです。
- コスパ抜群のドリルドライバー。ハードに使うわけではないく、国産品は手が出ないのでこちらにしましたが、安かろう悪かろうではなく本格仕様でした!大満足です!
【アイリスオーヤマ】充電式ドライバードリル JCD28
【製品情報】
- 電圧:10.8V
- 最大トルク:28N·m
- チャック能力:最大10mm
- クラッチ段階数:13段階
- 電池容量:1500mAh
- 充電時間:60分
- 重量:1.05kg
- LEDライト付き
【付属品】
- ビット10種類(プラスビット:PH1/PH2×2本/PH3;マイナスビット:4.0/5.0/6.0㎜;六角ビット:H4/H5/H6)/充電器/バッテリー
今回紹介するおすすめ品の中で最も安価な、【アイリスオーヤマ】充電式ドライバードリル。DIY初心者から中級者向けで入門用に最適な機種です。
低価格でありながら最大28N.mのトルクや、13段階のクラッチ切り替えなど必要十分な機能が備わっています。
ドライバービットが10本付属しているので、家具の組み立てには十分でしょう。ドリルビットを買えば穴開けも可能です。
また、重さを重視する方にとっては嬉しいのが、バッテリーを含んだ重さが1.05kgといった軽量サイズです。コンパクトで取り回しがよく、扱いやすさに優れています。
中級から上級者にとっては物足りない性能になりますが、初心者やパワーの強いものは怖い、重いものはしんどいといった方には、軽くて扱いやすいこちらのドライバードリルがおすすめです。
◆使用者の感想
- 家具の組み立てやちょっとしたDIY用に丁度いいです!大き過ぎず軽いので女性にピッタリ!値段は安いですがパワーはしっかりあるので、楽に組み立てできます。
- 無名の海外製品よりはと思い、購入しましたが思っていたより使えます。軽くてもパワフルなので、素人作業には十分。バッテリーの容量が小さいので、1日作業するなら別売りバッテリーは必須です。
- 家用に丁度いいサイズでグリップも握りやすい。家具の組み立てには十分だが鉄の穴開けにはパワー不足かも。パワーを求めるなら上位モデルがいいでしょうね。
【HiKOKI-ハイコーキ】(旧日立工機)コードレスドライバードリル FDS4DGL
【製品情報】
- 電圧:14.4V
- 最大トルク:(低速)34N·m、(高速)8N·m
- 能力(穴あけ):木工ø 30mm、鉄工ø 13mm
- トルクレンジ:22段切替(約1.0~6.0N·m)
- チャック能力:最大13mm
- バッテリー容量:1300mAh(形名:BSL1415S)
- 充電時間:約35分
- 重量:1.6kg
【付属品】
充電器/バッテリー×2/No.2プラスビット/収納ケース/電池端子保護カバー2個
【HiKOKI】コードレスドライバードリルは、電圧14.4Vで最大34N.mのハイパワーと、細かなトルク調整機能を持つプロ向けの本格仕様です。
紹介する製品の中で、唯一ドリルチャックの最大能力が13mmと大きく、太いドリルビットを掴むことが可能です。本格的にDIYをするなら必要となる場面は多いでしょう。
1.3Ahのバッテリーが2個付属なので、交代で使えるのも利点です。充電時間も35分と早いです。容量不足を感じれば、6.0Ahまでの大容量バッテリーが別売りであります。
また、ハイコーキの14.4Vの電動工具であれば、様々な製品でバッテリーが共有で使える仕様もありがたいですね。
重量は1.6kgと重厚感があり、慣れていないと扱いに困るかもしれませんが、あとあとパワーのある機種が欲しくなってくるものなので、最初の一台という選択もありです。
付属のビットはプラスビットのみなので、別途購入しましょう。
◆使用者の感想
- プロも使っているということと一流メーカーという点で選びました。ドリルビットを買って、本格的にDIYで使っていますが本当に買ってよかったです!
- トルクの高さとチャックのスムーズな動き、操作性、全てにおいて大満足のドリルです!バッテリー2個付きなので充電切れの心配もなく、充電が早いのも嬉しいです。
- 堅牢な作りで信頼できます。このサイズにしては軽くて扱いやすく、振動も少ないので安定して使えます。安物で後悔したくなかったので多少高くてもハイコーキにして正解でした。失敗したくない人、おすすめですよ。
軽量コンパクトなタイプもあります。上記商品では大きすぎるという方には、こちらもおすすめです。
【KYOCERA-京セラ】(旧リョービ)充電式ドライバードリル BD-123
【製品情報】
- 最大穴あけ能力:(鉄工)12mm、(木工)25mm
- チャック能力:0.8~10mm
- 最大トルク:(高速)9N·m、(低速)26N·m
- クラッチ数:20段クラッチ
- 電圧:12V
- バッテリー容量:1,300mAh
- 充電時間:30分
- 本体重量:1.5kg
- LEDライト付
【付属品】
バッテリー(B-1203M1)×2個/充電器(BC-1205)/+ドライバビット/キャリングバッグ/ストラップ/ベルトフック
安心の国内電動工具メーカーで人気の高い【京セラ】(旧リョービ)の充電式ドライバードリル。
上記3機種にはトルクで劣りますが、それでも木工穴開け能力25㎜といった必要十分な能力があります。
20段クラッチ+ハイロー切り替えで最適な速度調整ができ、高輝度LEDライト付きなので暗所での作業も快適です。
肩掛けできるお洒落な収納バッグには、充電器と予備バッテリーのポケットもあり携帯性に優れています。
バッテリーが2個付いてのお手頃価格、バランスの取れた性能、安心のメーカーという点で選ばれている人気の機種です。
◆使用者の感想
- さすが電動工具専門メーカー!コスパ最高の良品です。予備バッテリーと収納バッグまで付いてこの価格は驚きです!トリガーの引く方で回転が調整できるので使いやすいです。
- 国内メーカーだけあって信頼性は高いですね。パワフルで耐久性も高く、木材への穴あけもラクラクで使っていて楽しいです!価格以上のいい買い物でした!
- この値段で買えるとは思えないほど優れています。力があるが軽くて扱いやすく、バッテリーの持ちもいい。付属のバッグもオシャレで、これにして正解だったとしみじみ思います。
【KYOCERA-京セラ】(旧リョービ)電気ドリル CDD-1030
【製品情報】
- 電源:単相100V
- 消費電力:160W
- 最大穴あけ能力:(鉄工)8mm、(木工)21mm
- チャック能力:0.8~10mm
- 最大トルク:高速8.3N·m、低速30N·m
- クラッチ:20段+ドリル
- 回転数:(高速)0~1,000min-1、(低速)0~300min-1
- 重量:1kg
- コード長さ:2m
【付属品】
+ドライバビット(No.2×65mm)
最後はコード付き100V電源のドリル、【京セラ】(旧リョービ)の電気ドリルを紹介します。
家庭用のコンセントに接続して使用するタイプで、電源確保が必要で使用場所を選びますが、充電切れの心配がなく安定したパワーで連続して作業ができます。
20段クラッチ+ハイロー切り替えで、操作性はコードレスタイプと大きく変わりません。ボディーが大きいので重そうに見えますが、バッテリーが無いので重量は1kgと軽量です。
屋内での作業がメインであれば、コード付きのドリルも選択肢に入れてみてはどうでしょうか?コードタイプであればこのリョービの機種がおすすめです。
電源コードは2mなので、必要に応じて延長コードを用意しましょう。
◆使用者の感想
- 屋内での使用が基本なので、充電切れの心配なく使えるコード式にして正解でした。パワーもあるので穴加工にネジ締め、ちょっとした研磨作業と、DIYに最高の相棒です!
- さすがリョービ、期待を裏切りません。この値段でこの性能なら高いドリルは必要ないですね。小型で軽いので、小柄な女性でも扱いやすそうです。
- 家庭用に最適な性能!値段も手頃でDIYに必要十分な性能です。3000円で買った安物はパワーがなく使い物にならなかったので、最初からこれにしておけばよかったと後悔しています。
【電動ドライバードリル】売れ筋ランキング
画像出典:amazon.co.jp
コメント